東京では4年ぶりとなる、2022国際物流総合展に行って来ました。(9/13~16、於 東京ビッグサイト)自動化、ロボティクスがまさに花盛りですが、以前に比べてコンベアや自動倉庫を配した大掛かりな展示は少なくなり、フリースペースに作業台とロボットが置かれ、その間をAGVが行き来する光景が多く見受けられました。AGVとロボットが融合することでコンベアが要らなくなり、軽装備の自動化が実現しているわけです。
ロボティクスのトップランナーであるMujin社の今年の展示品は「自動『順立て』混載積み付けシステム」。混載積み付けとは、大きさ・重さの異なるケースを荷崩れや荷物の潰れがないように積むもので、慣れない作業者が積んだパレットはドライバーが積み直すような手戻りもしばしば発生する、熟練を要する作業です。このロボットは以下の手順で自動的に順立てを行い、7-8分の作業で完結させます。
①ロボットが1PL分の全てのケースをいったん平面に並べ、その際に各ケースの重さ・サイズを計測する。
②ロボットが1PL分の情報が揃ったら積み方を考える。(重たいものを先にして、なるべく面が揃うように)
③決めた順にとってAGV上のPLに積み付けていく。
これまで同じような作業の自動化には「シャトル」とよばれる小型の自動倉庫が用いられ、億単位の投資が必要でした。Mujin社のシステムは「ロボット+AGV」と「1PL分のケースを並べる場所」があれば構築でき、費用も数千万円レベルに抑えられます。ロボットが「人よりも上手に、作業を1回で完結させる」という役立ちをすること、負荷が大きくドライバー待機の原因にもなる作業が改善されることも、興味深いところです。
報告 湯浅コンサルティング 内田明美子 写真も筆者撮影