物流危機への荷主の対応「競争は商品で、物流は共同で」

物流トピック

先進事例のひとつに加工食品業界の動きがあります。5月25日LNEWSに、F-LINE及びSBMの活動を推進してきた味の素堀尾理事のロングインタビューが掲載されました。苦労話、課題の乗り越え方も語られており、荷主を巻き込んでの物流改革に参考になると思うので紹介します。

F-LINEは、加工食品メーカー6社(味の素、カゴメ、ハウス、日清オイリオ、日清フーズ(現:日清製粉ウェルナ)、ミツカン)共同で立ち上げられた物流会社です。これにキューピー、キッコーマンを加えた8社での製配販の課題解決のための組織が「SBM」食品物流未来推進会議です。

最初の取り組みは「紙伝票を統一」。各社ばらばらだったそうです。これで待機時間、作業時間の短縮ができました。ほか、取組はリードタイム延長、外箱表示の統一化、賞味期限年月表示化、フォークリフト作業の安全確保、付帯作業の定義、長時間待機等。

メーカー、卸、小売り、皆にとってよい方法を検討してみたところ、「実はお互い全く実態を知らなかった」そうです。それどころか、社内の他部門のことも知らなかったと。まずは実態把握、事実の共有から始めるべきとのことでした。

これは物流会社と荷主との間でも言えます。物流会社が日々悩んでいることを荷主は全く知らない場合もあるのです。データや画像、動画等を用意し、問題を具体的に共有することが改善のスタートであり、荷主の物流を持続可能にすることにもつながります。

 

 

※資料:ホワイト物流推進会議)味の素資料(https//:white-logistics-movement.jp/wp-content/themes/white-logistics/docs/seminar_2022_01_01.pdf)より抜粋

※湯浅コンサルティング作成