「作業は人」でも高度なDXは可能

物流トピック

競合する同じ業界4社の物流の責任者が一堂に会し、各社の物流の仕組みを比較しながら紹介するという、面白いテレビ番組※がありました。登場したのは、ネットスーパーの「Amazon Fresh」「楽天西友」「イトーヨーカドー」「イオン」の4社です。特に興味深かったのは、Amazon Freshと楽天西友の対比です。Amazon Freshは、入庫も出庫も全て手作業、対する楽天西友は、高さ5mを超える巨大な自動倉庫を構え、作業者は全く歩かずにピッキングが完了します。見た目は対照的ですが、目指すところは2社とも同じです。実現したいのは、限られた空間に最大の種類の商品を集積すること、オーダーを受けてから最短の時間でピッキングして配達することです。

Amazon Freshのピッキング作業の光景は、カートに複数の袋を置き、作業者が棚をめぐって、バーコードをスキャンしながら商品を取っていく昔ながらのもの。しかし、作業支援システムにおける情報活用は、まさに最先端です。番組では、オーダー順の決め方と棚への商品の配置ルールの工夫を「2つのヒミツ」として紹介していました。

物流DXは、決して、自動化とイコールではありません。データを駆使して、ムダな作業をなくす、減らすことこそが、真のDXです。人の作業のDX、皆さんの倉庫にも、そのチャンスは必ずあるはずです。

「林修のレッスン!今でしょネット スーパー大手4社 禁断の裏側完全公開SP」テレビ朝日8月30日(火)放送分の内容をもとに、湯浅コンサルティング作成